クルマのボディ汚れについて

クルマのボディ汚れについて

【水垢】には2つの名称があります

イオンデポジット    ボディに付いた水分をそのまま放置して乾いたときに出来る白いシミです。

ウォータースポット   さらに水滴に太陽光線が入り込み、レンズ効果で塗装を陥没させる現象です。黒系の塗色では目立ちますが、この現象が酷くなると、磨き作業で落とすしかなくなります。

どちらも水分の除去を怠ると起きる現象ですが、ウォータースポットは、窪んだ塗装面を平らにならさなければ元に戻らないので、イオンデポジットより厄介な汚れと言えるでしょう。

カルシウムやナトリウムなどのミネラル分が主な汚れ成分です。炭にならない無機汚れになります。そして、これらの物質は、有機物は有機物と、無機物は無機物と結びつきやすい性質を持っている反面、有機物と無機物は結び付きにくいとされています。

ガラスコーティングは無機物なので、無機質汚れとなるイオンデポジットが付きやすいと、一般に言われる要因はここにあるのですね。

対処法 

軽い雨シミは、中性のカーシャンプーで洗車すればほとんど取り除けます。なお台所用洗剤も同じ中性のため水垢汚れを落とせますが、界面活性剤の濃度が高く樹脂やゴムの部分を劣化させるので、洗車への使用は避けけた方がよいとされています。

余談ですが、このガラスコーティングの特性に対して、ハイブリッド化をして解決してる商品もあったりします。

更に余談ですが、自動車ガラスは一般的に「無機物」として分類されます。自動車のフロントガラスやサイドガラスは、シリカ(二酸化ケイ素)を主成分とする「ソーダ石灰ガラス」という無機材料から作られているそうです。だとすれば、無機質のコーティング剤と無機質のガラスは結合しやすく、強く定着するはずですよね、後に検証してみます。

雨水自体は、蒸留水に近い状態なので、ミネラル分はほぼ含まれていないようです。

それを実験している研究機関もあり、東京都の場合、雨水に含まれるカルシウムやマグネシウムは水道水の20分の1程度と発表されています、が、大気には汚染物質が浮遊しているのでそれを雨が取り込むと、雨ジミが発生する可能性が高くなります。

特に雨の降る間隔が長いと鉱物由来のカルシウムや海水に由来する海塩粒子が含まれるという研究結果もあり、良い天気が長く続いた後の雨は水ジミには要注意、だともありますので条件によっては雨も雨染み発生の要因にはなりうると捉えた方がよいのではないでしょうか。

鳥の糞と虫の汚れ

クルマに付着する汚れの中には鳥の糞や、虫の衝突による汚れがあります。

これらの汚れは付着してすぐに落とせば綺麗に除去することが可能ですが、そのまま放置すると塗装面を侵食してシミを作ることになります。

鳥の糞には、様々な成分が含まれています。鳥の糞にはカルシウムやアンモニア、タンパク質などが含まれており、基本強酸なので、これらはボディの塗装を腐食させる作用があります。

また、虫の汚れにもシュウ酸カルシウムやたんぱく質などのほか、粘着成分として多糖類なども含まれており、クルマのボディに付着すると時間とともに塗装にダメージを与えシミを作ります。

どちらもタンパク質を含みますので、有機質汚れに分類されます。

対処法 

とにかく見つけたら拭くのが一番で、時間が経ってから見つけた場合はふやかす事です、乾燥した鳥の糞を、早くふやかすにはカーシャンプーの泡を鳥の糞にたっぷり乗せて放置すると、泡の中の水分が鳥の糞をふやかして取りやすくします。

この他にも、タオルやキッチンペーパー、ティッシュに水分(ポットに入っているお湯ならなお良し)を含ませて放置してもよいでしょう。 虫の死骸も同様です。

ただし、数週間放置した鳥の糞は、意外に強固にこびりついており、接着剤の役目をしているたんぱく質をお湯で溶かさなければ、塗装表面から取り除くことは難しい場合もあります。

黄砂や花粉によるダメージ

春先になると、大陸から黄砂がやってくる他、スギ花粉などもボディに付着して黄色い車体に変貌させる光景を見たことが多いでしょう。

しかし、花粉や黄砂などはクルマに載っているだけと軽く考えがちですが、意外と塗装やガラスコーティングの上に大きなダメージを与えます。

黄砂や花粉は、汚染物質を含んでいることがあり、黄砂は水に濡れると粘土質の性質から、こびり付いて取り除くのが困難となります。

特に花粉は、ボディに乗っているだけでは害はないのですが、その状態で雨に濡れると途端にとても厄介なものになります、理由は下記によるものです。

花粉の化学的影響

ペクチンの作用
花粉に含まれるペクチンという成分が水に触れると溶け出し、粘着力が増して車体に張り付きやすくなります。これが雨にぬれると、花粉が落ちにくくなる主な原因です。
花粉にはタンパク質が含まれているため、タンパク質汚れとして扱う必要があります。これは通常の洗車では落としにくい性質を持っています。

タンパク質汚れは一般的に「有機質汚れ」として扱われることが多いです。タンパク質は炭素、水素、酸素、窒素などからなる有機化合物であり、動植物由来のもので構成されているため、洗浄分野では有機質汚れの一種と解釈されているようです。

また、汚染物質にはどのような成分があるかわからず、そのまま放置するとガラスコーティングや塗装面にシミを作ることになるでしょう。

構造的な影響

腐食の誘発
花粉と水が組み合わさると、最悪の場合コーティングやボディの塗装を剥がす原因になります。これは車体の腐食につながる可能性があります。

塗装の変形
花粉シミが塗装内部に染み込むと、塗装が変形して表面が凸凹になることがあります。これにより、ボディ表面にザラザラとした感触が残ります。

鉄粉

クルマを洗車していると塗装面がザラザラしていることがあります。その場合は鉄粉が付着している可能性が高くなります。

空気中には、非常に細かい鉄粉が混ざっており、これがボディに付着すると酸化して塗装面に潜り込みます。

これがいわゆる鉄粉が刺さったといわれる状態ですが、このまま放置していても、クルマがサビて朽ち果てることはほとんど考えられません。

しかし、鉄粉が付着していると、撥水性能が悪くなり、他の汚れを付着させる原因になります。

有機物汚れとは、

油汚れが多く、特に自動車の排気ガスによる汚れと、人体からでる油分による汚れがほとんどとなります。

良く白いクルマで黒い筋が付いている汚れはワックス(何かしらの油分)が劣化して汚れとなって付着している有機物汚れになります。

一般に有機物汚れは、燃やすと炭になる汚れで、比較的柔らかい汚れと覚えておくとよいでしょう。そして、この有機物汚れは、界面活性剤を含んだ洗剤を使うと効果的に落とすことができます。

その他の汚れ(無機物以外)

この他にも、ガラスコーティングや塗装面に悪影響を及ぼす汚れがあります。例えばピッチタールと呼ばれるアスファルトです。

アスファルト成分は、一度付着すると硬く固まり洗車では落ちません。

このほか、生活環境下で使用される化学物質の中にも、塗装面に悪影響を与える物質があります。例えば、駐車場の除草剤や樹液などです。

これらの化学物質がボディに付着したら、早めに洗い流さなければ塗装面にシミを作ることになります。

対処法

最も効果的な方法は、ピッチタール除去剤を使用することです。

主成分はグリコールエーテルで、樹脂を溶かす能力と水溶性を兼ね備えています。塗装面への懸念が若干あります

代替え品としてシリコンオフが有効なようです、塗装の下地処理に使用する脱脂剤で、ピッチタールの油分を除去する効果があります。

コート剤の製造メーカー曰くガラスコートであればシリコンオフで拭き上げても、メインのポリシラザン層は剥がれ落ちないとのことでしたので、シリコンオフで落としてから5ヤーズでしたら、メンテナンス剤を塗りなおすことでトップコート層を復活させることはできるのではないでしょうか。

まとめ

車に雨汚れや雨シミが付着した場合、表面に軽く付着している場合は中性のカーシャンプーで洗車すれば取れますが、固着している場合は専用のクリーナーを使いましょう。塗装内部にまで水垢やシミが浸透し、ウォータースポットになっている場合はコンパウンドで磨いて汚れを落としてください。

ボディコーティングを実施する

ボディコーティングを実施すると塗装面に薄く強固な被膜が形成され、雨汚れや雨シミを防いでくれるため、車のお手入れをしやすくなるのがメリットです。また、小傷の防止にもつながります。

コーティング剤とスポンジ、拭き上げ用のクロスがあれば、自分でもボディコーティングの実施が可能です。汚れの付着を防ぐ場合は、樹脂系コーティング・油脂系コーティング剤よりガラスコーティングのほうが適しています。

従来のポリシラザン系を無機有機ハイブリッドコーティングにすると、塗布してすぐに反応して硬化がはじまるため、作業難易度が高いデメリットがあります。

しかし、ゼウスクリアは、それらのデメリットを克服し、施工性が良いハイブリッドコーティングにしています。

本来、ガラスコーティングは無機物なので、有機物の塗膜への密着は良いとは言えません。つまり、密着不良による耐久性が劣る欠点があります。

それを、防汚性、撥水性、耐スリキズ性能を備えたポリシラザン系でハイブリッド化し、有機物の性能を備え密着性能を高めたのが日本ライティングのゼウスクリアです。

そのうえ、有機汚れだけでなく無機汚れにも強いので、長くクルマをキレイな状態で保てます。

また、一般的にはフッ素化合物を加えてハイブリッド化していますが、ゼウスクリアは、空気中の水分と反応することで、無機物の硬いバリアとなるシリカ、つまり水晶に近い状態と、有機物の性質を持つシリコーンに似ている状態の2つのコーティングが可能になります。