日産【スクラッチシールド】トヨタ・レクサスの「セルフリストアリングコート」自己修復性のある塗装技術概要、メリット・デメリット、メンテナンス方法の違いを解説します。
2026.06.09投稿
日産の「スクラッチシールド」やトヨタ・レクサスの「セルフリストアリングコート」に代表される自己修復性のある塗装技術について、概要、メリット・デメリット、およびメンテナンス方法の違いを解説まとめてみます。
1. 概要
日産やトヨタなどが採用する自己修復塗装(スクラッチシールドやセルフリストアリングコート)は、特殊な軟質樹脂を配合することで洗車傷などの小傷を時間とともに自然に復元させる技術です。
これらの塗装は、日常の使用や洗車などでつく細かい擦り傷や引っかき傷が、時間の経過とともに自然に復元する機能を持った特殊な塗装技術で高機能クリヤーです。
- スクラッチシールド(日産): カラーベース塗装の上に、特殊な高弾性の軟質樹脂を配合したクリア塗装を施しています。低反発クッションのように柔軟性があり、傷がついても弾力によってジワジワと元の状態に戻る仕組みです。 車種により採用の有無があります、場合によっては塗色により普通のクリヤーが塗られている場合もあります。
- セルフリストアリングコート(トヨタ・レクサス): 基本的にはクリア塗装の上に自己修復性の塗装を塗布したもので、押されて圧迫されたような引っかき傷の修復に効果を発揮します。
2. メリット・デメリットは?
メリット
- 傷の自己修復: 洗車傷や日常的な浅い擦り傷程度であれば、時間経過(場合によっては1週間程度)とともに修復・復元します。
- 美観の長期維持: 従来のクリア塗装に比べて細かい擦り傷を約1/5程度に低減でき、傷がつきにくいことで水弾きも良くなるため、新車時のツヤや光沢、綺麗な状態を長く保つことができます。
デメリット
- 深い傷には無効: クリア塗装が剥がれたり、切断されたりするような深い傷(硬貨で引っかかれた傷など)は復元しません。
- 修理費用の高騰: 事故などで板金修理や再塗装が必要になった場合、特殊な高価な塗料を使用するため、修理代が一般的な塗装よりも割高になることもあります。また、高度な技術が必要なため、対応できる業者が限られる場合があります。
- ウォータースポットができやすい: 撥水性の性質上、雨などの水滴がレンズの役割を果たして塗装を傷める「ウォータースポット(陥没染み)」ができやすい傾向があります(とありますがこれは傾向ですね普通のクリヤーでも基本同じです)。
- 耐用年数がある: 永遠に効果が続くわけではなく、メーカー公式には耐用年数は約3年〜5年とされています(これもクリヤーの劣化の過程ですね)
3. メンテナンス方法と両者の違い
基本的なお手入れや取り扱いにおいて、スクラッチシールドとセルフリストアリングコートにはいくつかの違いや注意点があります。
手入れ・磨きの感触の違い
- セルフリストアリングコート: スクラッチシールドよりも塗膜が柔らかく弾力があるように感じられ、水垢などの汚れが意外と取りづらくなる傾向があります。
- スクラッチシールド: セルフリストアリングコートよりは固めで腰がしっかりしていますが、磨き方を間違えるとある時点から突然柔らかくなり、逆に磨き傷が入りやすくなるという非常にデリケートな特性があります。
日常のメンテナンスと洗車の注意点
- 自己修復するからといって長期間洗車をせずに放置すると、汚れがこびりついて取れなくなり、どんなクリヤーも同じですが、塗装の寿命を縮めます。
- 気温が高い夏場などは塗膜が柔らかくなり伸びるため、炎天下での洗車はリスク要因が増すので注意が必要です。
- 傷の復元を早めたい場合は、日当たりの良い場所に駐車したり、熱めのお湯をかけたりして塗装面を温めるのが効果的です。
コーティング施工時の注意点
- 市販やプロ用のコーティングを施工する場合、塗装表面をカチカチに硬く覆うような被膜タイプ(一般的な硬化型ガラスコーティングなど)は、本来の塗装の弾力による修復機能を阻害してしまうため避けるべきとされています。塗装の伸縮に合わせて流動的な動きをするコーティング剤を選ぶのが理想とされています。
- ただし、日産の公式見解としては、純正のガラス系コーティング「5YEARS COAT」であれば、スクラッチシールドの性能を妨げることなく防汚・撥水効果を付与できる、とされていますのでそこまでシビアにならなくとも大丈夫と言えます。